雪印

劇変する雪印
大阪食中毒事件の原因
原因不明
「再利用」をめぐる誤解
対策
ブランド崩壊は一瞬
7人、集まる
存在価値
創業の精神
体質が悪いって何?
土下座広告の反応
使命と役割の違い
顧客志向
私は命を作ってる
ブランドは、マーケティングでもなんでもない
情報公開のあり方
賛同者を増やすために
社長との付き合い方
夢を語ろう
ロイヤルユーザー
伝える努力
現在の危機管理体制
社会貢献のあり方
これからの雪印を見てもらうしかない

キーワードと
キーセンテンス


ブランド

商品じゃない、企業が嫌


 
雪印乳業 土岡英明+稲葉聡 



7人、集まる

土岡さん で、そこから帰ってきたメンバーが、「これはもう、雪印は潰れる」。わかんないですよ、こっちは。新聞でしかわからない。生を見た人間はそうなんですよ。それで緊急でみんな集まろうぜって集まったのが、たまたま7人(「体質変革の会」の初期メンバー)なんです。どうしようもないから。で、元々はですね、稲葉とか私というのは、私は牛乳のほうの事業をやってて、その後、数字が戻らないんですよ。明らかに。あ、これ前ですよ。それで、ブランドマネジメントということで、ブランドのことをずっとやっていくんですよ。稲葉は乳食品のほうでバター・チーズのブランドということやっていて、最後はコラボレーションして雪印乳業のブランド考えようというブランドをずうっとやってった時にこれ(牛肉偽装事件)がドボンと起こったんですよ。私たちは最初、ブランド再生するために同じようにブランドを考えていたメンバーが7人集まったんです。これ最初なんですね。

 最初・・・だから、ブランドをどう立て直そうかっていってるレベルをどんどん超えていくんですよ。領海水域を。そんな問題じゃなくなっていくんですよ。それで帰ってきた連中が大騒ぎをして、そこから(本社の)41会議室を占拠していくんですよね。自分の仕事をやりながら、夜5時とか6時、6時半になるとみんな集まって、帰らなかったですね。毎日。3時、4時・・・ほとんど帰ってないですもん。女の子も帰ってないですね。こんなところで寝てましたよ、みんな。で、なんでかっていうと、今思ってなんでか不思議なんですけど、結局このことがあって船でいうと船体に大きな穴がボゴッと開いたと。それ、わかるんですよ。穴が開いたのが。でも社内はわからないんです、ある種。でもそれがだんだんわかってくるんですよ。結局こういうことですね。あの、今さっき、ちょうどここですね、1月・2月というのが真っ赤っ赤(雪印に対するイメージが最悪)になっていくんですよ。これ、食中毒の時、こんな棒グラフじゃないですから。これ、完全にアウトですよね。なんのイメージもないんですよ、これ。マイナスですよ、全て。もうここまできちゃったんですね。一気に。それでさっき(購入率が)71%まで1月(には回復していた)って言ったんですけど、2月・3月になると購入率が28%まで落ちます。

 もうこれ会社にならないです。こんな時に、どうするべって言った時に、お客様について我々が2月の8日にお客様のグループインタビューというのをやるんですよね。あの、よくテレビでやる座談会みたいな感じですけどね。我々はこっちのほうで・・・我々は見えるんですけど、お客様からは見えないところで見てるんです。これ、別にあの、犯罪行為ではなくて、マーケティングの手法としてちゃんとあるんで誤解のないように言っておきますけど、6時間、聞いたのかな・・・もう、このとおりですよ。存在無価値。潰れてしまえ。謝っていない。上の人がのさばっている。頭下げながら、こっそり舌を出してる感じがする。企業文化・体質が腐っている。消費者をバカにしている。同じグループ事業の事件なのに、他人事みたいな対応をしている。商品じゃないんだ、企業がイヤ。・・・ということを目の前で言われたんですよ。泣いてるヤツもいたし、私なんかももう、なんか、頭の中が混乱しましたね。もう、胸が潰れるような感じで。いやあ、もうどうすればいいんだろ・・・って。そんな感じだったでしょ?

稲葉さん うん。そうですね。

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