5憩 Go to Goto! 聖餐三昧一体伝 -

崎県上五島町/島市/崎市- 第4
第1日 第2日 第3日
新上五島(しんかみごとう)
(第4日朝食)
N05-015(第138号) マーガロン!(アペル) →

N05-016(第139号) チョコザック(リョーユーパン) →
<マーガロン!>
マーガロンと云うマーガリンに酷似した名前を付けながら、オールマーガリンではなく、バター入りと云うところが面白い。カステラ生地を使用することで、ぼそぼそっとした粗末な口触りを回避、甘さもプラスして美味しく仕上げようと努めている。
形状→★★★☆☆ 風味→★★★☆☆ 総合→★★★☆☆
<チョコザック>
チョコがザックザクと云うか、もうちょっとクランチィな感じを強調しても面白かったのかなと云う気はする。メチャクチャ甘いと云うわけではないが、甘さに、チョコの内に篭る風味が過剰に重なって、クドい味わいに。
形状→★★★★☆ 風味→★★☆☆☆ 総合→★★★☆☆
 もう少し上五島に滞在したい気分に覆われていたが、発つ時間は、無情に雨情にやってくる。船で長崎へと渡るために、鯛ノ浦と云う所にやってきた。上五島と長崎港の間を結ぶ船は第2日に、上五島初上陸を果たした際に使った奈良尾の他には、この鯛ノ浦から出る五島産業汽船の便しかない。朝早くに奈良尾まで出るのは面倒だから、浦桑に程近い鯛ノ浦から昼前に出る便を使うことにした。実は2018年現在、有川と長崎を結ぶ便が就航している。当時からそれがあれば、メジャーでしかも一度乗っている九州商船の運航と云う部分も手伝って、或いはそちらを使ったかもしれない。
 実際、鯛ノ浦にしても五島産業汽船にしても一面をマイナーな風が吹いていた。鯛ノ浦は市街と云うよりも集落で、とても静かな佇まいだった。ターミナルもそんな鯛ノ浦らしく小ぢんまりとしたもので素っ気ない趣だった。それでも五島うどんの店が入っているのは流石だ。今から船に乗るのによく食べられるものだなと思いながら、急いでうどんを掻き込む人をぼんやりと眺めて過ごした。
 船は、すこぶる揺れた。前もって酔い止め薬を飲んではいたが、死ぬほど揺れた。ただただ、じっと目を閉じて堪えていた。出入口近くにはエチケット袋も備え付けられていたから、揺れるわけである。エチケット袋と云っても飛行機の座席ポケットにあるような立派なものではなくて、コンビニ袋のような代物だったが。鯛ノ浦の入江を出てすぐに平穏な時は終わりを告げて、あとは1時間以上、揺れっ放しであった。あの人、うどんを戻さなかったのかな…いいや、戻しただろうと正直思った。私は全く船のことに関心が無かったのだが、福江から奈良尾への船が全く揺れなかったのは、五島列島内の海を通ったせいもあるだろうが、ジェットフォイルだったからである。対して今回の船は高速船で、それも100トンに満たない小型のものだった。それはマァ揺れるわけである。離島の厳しさをしみじみ感じた。
長崎(ながさき)
 長崎港ターミナルは、島国日本の中でもとりわけ島に恵まれている長崎だけあって、なかなか壮麗なものだった。海との密接な関わりは、港が市街地の内部に配置されていることからも見て取れる。港の主要な機能が郊外へ移転してしまった函館と比べると長崎は、港の賑わいがそのまま中心部へと波及しているように感じられた。
 ターミナルの外に出ると、何事もなく長崎は今日も雨であった。ここから駅までは1`も無い。さほどの降り方でも無かったから、ぼちぼち歩くことにした。
 バスターミナルも港ターミナルも好いが、それでもやはり、駅の雰囲気には代え難い靴の響きと云うものがある。吹き抜ける風は、来る旅の準備を誘ってくる。長崎の駅は今日も乙な味に満たされていた。しかし今日は列車には乗らないのである。石川啄木のように駅の情景に浸る目的も無くは無かったが、駅ビルの2階にロイヤルホストがあるからそこで昼食とする…これが第一の目的だった。長崎まで来てファミレスか…いやいや、情趣に富むローカル性と出合えるのは鉄道ばかりではない。ローカルなファミレスにも良き味わいがあるものだ。だがロイヤルホストは九州と縁が深いと云えども、栄えある全国チェーンである。が、しかしここのロイヤルホストには、少しばかり面白いところがあるのだ。

N05-017(第140号) スペシャルトルコライス@ロイヤルホスト →
<スペシャルトルコライス> ¥1,380(込)
本品はトンカツが海老フライになっている点が特徴的だ。そして目玉焼きの下にハンバーグが隠れている。確かにこうなるとスペシャルではあるわけだ。要はトンカツを分解して、フライ部分を海老に、肉部分をハンバーグに担わせている恰好。都合1品増えていて更に目玉焼きまでトッピングされている…海老フライとハンバーグと云えば、ファミレスの定番だけに、現実と理念をよく共同させた素晴らしいメニューであるように思う。
形状→★★★★☆ 風味→★★★☆☆ 総合→★★★★☆
 長崎が殊の外、雨に似合う街だとすれば、それはランタンのお蔭だ。ランタンの色彩が雨にぼやけて広まって光の洪水となるのである。長崎には、今日も雨である必然がある。雨、そして坂が長崎の街をコロッセオへと変える。その劇的な立体性が人々を、薔薇の香のように籠絡させて、この街へと引き寄せるのである。

N05-018(第141号) 長崎街道弁当@長崎駅(いずや弁当) →
<長崎街道弁当> ¥1,050(込)
箱は籠を模したものとなっている。如何にも箸が入っていそうな棒の部分には箸が入っておらず、完全なる飾りを作る光景に、金持ちの余裕のような弁当だなと思った次第。当初の、掛け紙が掛けられた姿は、矢鱈とごわごわとした何とも収まりの悪い、チープな匂いのぷんぷんするものであったから、この本格派への豹変には些か驚いた。
形状→★★★★★ 風味→★★★★☆ 総合→★★★★☆

N05-019(第142号) シースクリーム(梅月堂@浜屋) →
<シースクリーム> ¥350(込)
本品は長崎を代表するご当地スイーツであり、梅月堂の看板でもある。ショウケースの中でも、他のケーキ各々の2倍の面積を占めていた。フレッシュな苺ではなくて、缶詰の黄桃やパイナップルを用いることは、今でも地方の菓子店のケーキによく見られることである。本品は生クリームの他にカスタードクリームを用い、また生地もカステラ的で、昭和レトロな雰囲気がよく表現されたものとなっている。
形状→★★★★☆ 風味→★★★☆☆ 総合→★★★★☆
→第4日旅程→
鯛ノ浦 11:00 →五島産業汽船→ 長崎 12:40  
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as of 2011.02 / uploaded 2018.0217 by 山田系太楼どつとこむ

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