舌自心→ 
舌は自ずと心をつくる
(N05-019 第142号)
シースクリーム ::梅月堂@長崎浜屋::
Go to Goto! 聖餐三昧一体伝 第4日 にて遭遇
 海と山に囲まれた長崎は平地に乏しく、車社会になりにくい特性を備えていたことから今日まで中心部の繁栄が維持されてきた。そこに祭りと観光客が加わるのだから、その賑わいぶりもひとしおである。浜屋は長崎を代表する百貨店で、大丸や玉屋と覇を競ってきた。この2011年当時は3つの百貨店とも健在だったか、その後、後者2店は閉店して、今は浜屋の独擅場となっている。








シースクリーム ¥350(込)


本品は長崎を代表するご当地スイーツであり、梅月堂の看板でもある。
ショウケースの中でも、他のケーキ各々の2倍の面積を占めていた。
「シース」とは刀の鞘の意だが、本品はその昔「さや」の形状をしていたため、
この名前となったようである。ところがその「さや」と云うのが豆の莢のことで、
「ポッド」とすべきところを誤って、鞘すなわちシースとしてしまったらしい。
この手の間違いはしばしば起こるところであり、例えばスタジオジブリは、
本来なら「Ghibli = ギブリ」とすべきところを誤って
「ジブリ」と発音したことから生まれた名前であった。
しかし「ポッドクリーム」よりも「シースクリーム」の方が
斜め向こうの高級感が出ており、
この手の勘違いはジブリ同様に大抵上手く推移するものだ。

本品は昭和中期の、未だ経済大国になる以前、
流通システムもよく整備されていない時期に誕生した。
フレッシュな苺ではなくて、缶詰の黄桃やパイナップルを用いることは、
今でも地方の菓子店のケーキによく見られることである。
本品は生クリームの他にカスタードクリームを用い、
また生地もカステラ的で、昭和レトロな雰囲気がよく表現されたものとなっている。

形状→★★★★☆
風味→★★★☆☆
総合→★★★★☆

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as of 2011.02 / uploaded 2018.0217 by 山田系太楼どつとこむ
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