5憩 Go to Goto! 聖餐三昧一体伝 -

崎県上五島町/島市/崎市- 第3
第1日 第2日
新上五島(しんかみごとう)
(第3日朝食)
N05-008(第131号) 朝食@ホテルメリッサ →
<朝食>
小奇麗な趣のホテル同様の朝食光景であった。トーストと玉子料理を核にして、機能的に配置されている。
形状→★★★☆☆ 風味→★★★☆☆ 総合→★★★☆☆

浦桑郷・ホテル周辺
 新上五島町は2004年に上五島・有川・新魚目・奈良尾・若松の5町合併により誕生した。上五島と云う地域総称と同じ名前の自治体が存在したことは、些かややこしい状況を作り出してきたことだろう。それが中通島を中心とする上五島地域のことを云っているのか、中通島の一自治体である上五島町のことを云っているのか、よく分からないこともあるからである。上五島町のことを云う際には、主要市街地である青方の名前を出した方が間違いは起こらない。
 しかし今となっては、沢山の自治体がひしめきあっていたものだなと思う。上五島(青方)と新魚目と有川の役場は、それぞれ徒歩連絡もさほど苦痛にならない程度の距離しか離れていない。中通島自体は大変細長く広く感じる島だけに、如何に島の中心がごく僅かな一帯に収まっているか分かるものである。若松町は若松島にあるから、中通島では奈良尾だけがぽつんと、南の方で孤立している恰好となる。

上五島・青方へ向かう道から浦桑郷を望む。海の向こうに見えるのは有川の市街地。
浦桑自体は旧新魚目町域にあるが、榎津にある新魚目支所よりも、青方の新上五島町役場に近い。
浦桑は、青方と有川と云う新上五島町二大市街の間に位置しており、新上五島の中では最も「郊外」の匂いのする場所である。
 青方には町役場の他に、石油備蓄記念会館と云う仰々しい名前のホールや病院がある。伊達に上五島町を名乗っていた訳ではないのだなと思わせるものはある。これで高校があれば完璧…といきたいところだが、上五島高校の所在地は残念ながら浦桑だ。とは云え、青方からは至近距離である。
 青方で感じるのは都会の風である。市街地自体は、有川の方が広い。港も立派に見える。しかし青方は平地に乏しく、その分、建物が密集している。それが多分に鄙びているとは云え、ある種の都会感を醸成しているように思われる。実態以上に大きく見える点で、ちょうど県都長崎の中心市街と同じようなものだろう。
 青方にやってきたのは、単に街を見物するためだけではない。バスターミナルに用があった。今日はここからバスに乗り、一路南下する。昨日は奈良尾から無料バスを利用したから、普通の路線バスに乗るのはこれが初めてとなる。本数が余り多くないせいもあるがバスは思いの外、盛況だった。中通島の南北を連絡する路線だから、島一番の幹線と云うことにはなるわけだ。本当に乗らない路線は、本数に関係なく誰も乗らないものである。
 石の頭ヶ島、煉瓦の青砂ヶ浦に対して中ノ浦教会は、木造である。三つの教会の中では最も軽妙な空気感で包まれていてメルヒェンな空間が、その内側には広がっていた。しかし御伽話の世界の背後には、血みどろの現実が確かに、存在していたものだ。その現実を目の当たりにして、王様の耳はロバの耳とばかりに、御伽話を語らずにはいられない心理を作り、また、御伽話と云う形で生々しい現実の隠匿を図る効用をもたらしもする。いずれにせよ明るく清いメルヒェンは、悲しみの現実の反映だ。
 色々な置物の存在は、正しくここがカトリック教会であることを示している。しかしその一方で、がらんどうな伽藍堂に感じるのは、明るく軽い木造のせいによるものだろう。親近感が最も湧いてきたのはこの教会だった。少し装飾面に欲を出したプロテスタント教会の雰囲気がある。「日本のキリスト教」と云う感覚が一番しっくりきたのは、ここだ。反対に青砂ヶ浦で濃密に覆ってきた歴史の重みは一番感じられない。寧ろ現実は逆でさえあるのに。
 いつも笑っている人は、いつも笑うようにしているのである。そして風の如く去りぬ。後に残るは、埃、塵のみである。彼の誇りは埃と成り、生は散りて塵と成り、土へ返る。傍らでコギトエルゴスムと呟かれながら。
(第3日昼食)
N05-009(第132号) ふんわりチーズウインナー(アペル) →

N05-010(第133号) パン工場のチーズケーキ(リョーユーパン) →
N05-011(第134号) ホットケーキ(リョーユーパン) →
<ふんわりチーズウインナー>
マヨネーズ処理されたものは割と多くあるように思われるがチーズを付加している点に稀少性と云うものが多少出てくるのかもしれない。どうしても冷めて固くなってしまう部分も否めないのだが、人懐っこさと云うものは風味に出てこよう。
形状→★★★☆☆ 風味→★★★☆☆ 総合→★★★☆☆
<パン工場のチーズケーキ>
スフレ的には処理しているけれども、生地感はパンらしさに溢れている。嘘は云っていないわけである・・・「パン工場」なのだから。軽くスナック感覚で愉しめる一品。まとまりは良い。
形状→★★★☆☆ 風味→★★★☆☆ 総合→★★★☆☆
<ホットケーキ>
このホットケーキは面白い。リアルに「ホットケーキ」になることを想定して作られている。加えて二段重ねの状態がふくよかで艶やかに白く、喫茶店で出されるもののようにも見えてくる。
形状→★★★★☆ 風味→★★★☆☆ 総合→★★★☆☆

青砂ヶ浦への道中、「平成の大合併」前の名残を見る。
中通島北部は旧新魚目町域だったから青砂ヶ浦もそうなのだと漠然と思っていたが、実際には旧上五島町域である。
中通島中北部は狭い範囲で境界が入り組んでおり、島の一体的マネジメントを考えると、新上五島町になったことは正解だ。
 夕刻、青砂ヶ浦へ再び向かった。教会堂それ自体なら中ノ浦の方がしっくりくるが、そこに至るまでの道中の情景、空間装置性にかけては、青砂ヶ浦を凌ぐ場所は他に無いと思った。冬の寒さ凍える薄暗い煉瓦の堂内で冷え込む足もとを感じながら、骨の中に生きていることを肉を刻みつつ思う。これは大層、格別なひとときとなるものである。
(第3日夕食)
N05-012(第135号) 地獄炊き@パレット(ホテルメリッサ) →

N05-013(第136号) プリンアラモード(コンビニRIC) →
N05-014(第137号) ブリュレロール(コンビニRIC) →
<地獄炊き> ¥1,500(込) ※2人前から
「地獄炊き」と云うのも物凄い名前だが、鍋の中でうどんが渦巻いている。うどんの里で食したうどんには地獄感覚が乏しかったから大いに吸い寄せられた。麺はやはり細く、ストレートにダシの風味が伝わる。
形状→★★★★☆ 風味→★★★☆☆ 総合→★★★☆☆
<プリンアラモード> ¥298
「スイーツコミュ」と云うのはRICのPBスイーツシリーズになるのだと思うのだが、ホイップクリームと下の微妙スポンジ的生地多めにより、プリンの存在が霞むところはマァお約束である。
形状→★★★☆☆ 風味→★★★☆☆ 総合→★★★☆☆
<ブリュレロール>
スイーツダイニング2月14日」と云うのは大分にある人気洋菓子店。ショコラ系ロールケーキ生地の上にブリュレもどきを乗っける大胆さ。ショコラも派手な味わいだから口の中は甘い風味で大層賑やかになる。
形状→★★★★☆ 風味→★★★☆☆ 総合→★★★☆☆
→第3日旅程→
青方 →西肥バス→ 中の浦  
中の浦 →タクシー→ 青方
←第2日← 3 →第4日→  
東美餐珍帝國風土記目次
as of 2011.02 / uploaded 2018.0216 by 山田系太楼どつとこむ

©山田系太楼 Yamada*K*taro