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左・禅寺丸柿、右・富有柿。
大きさが全然違う。禅寺丸、ちっちゃい。忍者みたい。内部には一面の、母なるごまの海! |
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これぞ甘柿! 開け!ごま。ごま、ごま、ごまの、ごま吹雪。 |
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ゆで卵・サラダ菜・キリクリームチーズを添えてサラダとした。
ううむ、これだけの ごま が咲き乱れているのだから、すこぶる甘い。
八百屋の店主曰く、普通の柿の糖度が12-13°のところ、
禅寺丸は15-16°はあるのだと云う。
ちっちゃい果実に、甘さを精魂込めて凝縮させているのだ。
加えて、種がしつこく果肉の内へと入り込んでいるために、
ただでさえ十分小さいのに、ますますちっちゃくがりがり痩せた感じに口答え。
しっかりと甘さが染み込んでいるから、不思議と物足りなさは覚えないが、
もっとがっつりと、がぶがぶむしゃむしゃ食べられたらなァと思う。
なるほど、この実の小ささ、それに比して目出度く覚える種の存在感では、
戦後著しく生産が低下していったことも頷ける。
甘い、と云うことだけは時代の流れから逸れてはいないが、
煩わしい思いをすることなく大胆に心逝くまで頬張れる点が持て囃される時流では、
この甘柿にして相当に渋い要素を備えてしまったのだ。
最古の甘柿は、種をも、しゃぶり倒したくなるほどに、甘くとろける味わいだったが、
しかし甘柿の存在性と云うものは、なかなか奥深いものである。
店主によれば甘柿の木でも、枝を切ったのち、
新たに生えてきた枝からは、渋柿が実ったりするのだと云う。
甘美な時代は、じきに爛熟へと至り、長続きすることはない。
禅寺丸柿に備わってきた物語は、この人間世界の模様と同様である。
そのことを古より美味しく甘言しながら、渋めに諫言をもしているかのようだ。
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