8憩 初の広い島の山と海-

島県次市/庄原市/島市/山市/三原市/岡山県笠岡市- 第7
広島(ひろしま)
(第7日朝食)
N08-028(第241号) メロンパン@ブルーメン(広島そごう) →

N08-029(第242号) 7種類の緑黄色野菜とツナのスペイン風オムレツ@マリオのランチボックス(広島そごう) →
N08-030(第243号) せとかのタルト@マリオデザート(広島そごう) →
<メロンパン> ¥137(込)
何の変哲もないメロンパンに見えるが、こう云うパンを広島的には「サンライズ」と称するように思う。が、「メロンパン」として売られていた。ラグビー型でも中に白餡が入るでもなく。普通の、油脂風味が軽やかに漂う、サクッとイケるメロンパン。
形状→★★★★☆ 風味→★★★☆☆ 総合→★★★☆☆
<7種類の緑黄色野菜とツナのスペイン風オムレツ> ¥273(込)
何と云ってもこの食べ応え感の凄さ。オムレツ自体の厚さに加えて色々と具が豊富だから。その具の野菜と玉子の風味のマッチングがこのオムレツの肝なのだ。それと、ふっくらしっとりほろろっとした口触り。ブロッコリー以外は中々良かった。
形状→★★★★☆ 風味→★★★☆☆ 総合→★★★★☆
<せとかのタルト> ¥473(込)
広島らしいスイーツ。流石は広島の食のシーンで存在感を発揮するマリオである。単純にスイーツとして素晴らしい上にご当地感も出ている。旅先のデパ地下の愉しみ、ここに極まれりと云ったところ。タルト生地の部分は非常に分厚くしっかりと、そしてしっとりとしている。「せとか」は、フレッシュ感を温存しつつ、イイ塩梅に甘く熟れている趣。
形状→★★★★★ 風味→★★★★☆ 総合→★★★★☆
 広島に縁の深い平清盛を取り扱った大河ドラマが放送中とあって観光キャンペーンの目立つ広島駅界隈である。しかし私は今日も観光とは無縁の土地を巡り歩く。あの黄色い電車にも、乗らない。
下深川(しもふかわ)
 深川と書いてフカワと読む。三次から離れてそう時が経っていないと云うのに、またもや芸備線である。三次、そして西城と廻ったのだから広島方の芸備線沿線も廻ってみたいと思ったのだ。この広島方の盛況があるからこそ、芸備線は何とか支えられている。その中心に当たる下深川は、高陽ニュータウンの玄関口となっている。だがそれにしても山が大きい。雲が近い。西風新都同様の勇壮な景色である。
 しかし西風新都との決定的な違いは、その古さにある。高陽ニュータウンは1970年代の造成なのだから。1990年代初頭には既に最大人口を記録していた。これは安佐北区の人口推移とも概ね一致する。西風新都を始めとするアストラムライン沿線を抱える安佐南区が90年代以降も人口増加を持続させたのに対して、高陽ニュータウンを抱える安佐北区の人口増加は、90年代を境に失速していった。安佐南区以上に山が険しいことに加えて、都心部からの距離が、高陽ニュータウンを除いて比較的遠いことも影響したのだろう。
 比
 高台の上のニュータウンから(険しい高台にあって陽の当たりが良いから高陽ニュータウンなのかと邪推もしたくなるが、ニュータウン開発前からここは安佐郡高陽町であった)、麓に下ると下深川の次駅・玖村となる。玖村も高陽ニュータウンへの玄関口の一つだが、更に南下して安芸矢口へ向かった。
 山陽道の高架が見えてくると安芸矢口も近い。高陽ニュータウンの南の玄関口に当たる安芸矢口は、下深川と芸備線内一の利用客数を争ってきた駅である。近年、ニュータウンの高齢化を受けて伸び悩む下深川に比べて安芸矢口は、ニュータウン域外の開発が進んだお蔭で堅調に推移している。ただここまで来ても、依然として広島中心部までは10km。「広島10km、向原29km」の標識に、広島市外感が漂う。旧市内はまだまだ遠い。
安芸矢口(あきやぐち)
 相変わらず周囲の山には迫力があるものの、安芸矢口は新しそうなマンションや店舗も数多く、下深川よりも活気があった。が、しかし肝心の駅は、奥まった路地にひっそりと佇んでいて、駅前は狭隘そのもの。タクシー乗り場は脇に追いやられ、バス乗り場は若干離れた場所にある。

安芸矢口駅跨線橋より下深川・三次方面を見る。

安芸矢口駅跨線橋より広島方面を見る。太田川の向こうに見える市街地は、安佐南区の西原や祇園で広島中心市街ではない。

同じく安芸矢口駅跨線橋より太田川方向を見る。可部線緑井駅周辺のタワーマンション等が目立つ。山陽道広島インターも所在。こちらも安佐南区。
 芸備線は元々私鉄として建設され、昭和になってから国有化された。そのせいか、何もかもが簡素であるように感じられる。駅前も駅舎もホームも。そして列車も。それがまた山に囲まれた地形の中を走るものだから、余計に牧歌的に映り、都会の雰囲気が薄れる。100万都市の郊外と云う感覚がどうにも本格的には湧いてこないのだ。
広島(ひろしま)
 旧市内に漂う風格に比べれば、新市内の佇まいは砂上の楼閣の如きものだ。なるほど確かにここは100万都市なのだなと認識させられる岩盤が、旧市内のデルタの脆弱な地質の上に展開している。一握の砂から、夢は生まれる。一瞬にしてそれが消え失せても、人の欲はそれを都会に仕立て上げる。そしてそこへあらゆるものが殺到するのだ。
(第7日かなり遅めの昼食)
N08-031(第244号) スペシャルワッフル フルーツ@アンドゥ(広島そごう) →

N08-032(第245号) ゴールドマフィンキング プレーン@アンドゥ(広島そごう) →
<スペシャルワッフル フルーツ> ¥341(込)
素晴らしく見栄えが良い。大きい。むっちり。はちきれんばかり。がぶりと、かぶりつきたくなる様態。味わいはあっさりと云うことは有り得ないが、最後、若干単調にはなるけれども、ファンタシィな美味しさがいっぱい。チョコだったら、キツかったかな。そこはフルーツのフレッシュ感がカヴァーしてくれたから。
形状→★★★★★ 風味→★★★★☆ 総合→★★★★☆
<ゴールドマフィンキング プレーン> ¥161(込)
とても派手なネーミングが施されているが、マァ至って普通である。キングサイズと云うわけでもなし。明朗な味わいだが、若干こってりしているか。そこはゴールド&キングであるだけに多少高級さを醸しているのかもしれぬ。
形状→★★★☆☆ 風味→★★★☆☆ 総合→★★★☆☆
 テレビからは第4日に遭遇した備北のどんぶり、そして天満屋閉店の模様が伝えられていた。広島最前線に加わっている実感が湧いてくる。時代の波に乗り、悠久の流れと戯れる…これぞ旅の醍醐味だ。
(第7日夕食)
N08-033(第246号) 幕の内弁当@はやと(広島そごう) →
  N08-034(第247号) 桜のブラマンジェ@三瀧荘(広島そごう) →
<幕の内弁当> ¥1,050(込)
駅弁がイマイチの広島の弁当は、ここが一番である。マァ、デパ地下も色々回ってみたのだが。見た目、ヴォリューム、おかずのバランス、全部よし。もちろん、内容を考えれば価格もお買い得。幕の内だが豪勢にちらし寿司系統で彩っている。フライは白身魚。したがって肉は無いのだが、寂しさは感じさせない。
形状→★★★★★ 風味→★★★★☆ 総合→★★★★★
<桜のブラマンジェ> ¥357(込)
広島の老舗料亭がデパ地下に。雰囲気がある。加茂川とは漂う高級感が違う。桜スイーツはどうしても人工的な香りが漂ってしまう。これは致し方のないことなのかもしれない。薄いと全くののっぺらぼうになってしまう。塩梅が難しい。ブラマンジェだが白餡を使っているところ、和スイーツの面目躍如。
形状→★★★★☆ 風味→★★★☆☆ 総合→★★★☆☆
→第7日旅程→
広島 12:30 →芸備線 普通(3840D)→ 下深川 12:52
下深川 →徒歩→ 安芸矢口
安芸矢口 14:45 →芸備線 普通(1867D)→ 広島 14:59
←第6日← 7 →第8日→
東美餐珍帝國風土記目次
as of 2012.03 / uploaded 2018.0512 by 山田系太楼どつとこむ

©山田系太楼 Yamada*K*taro