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(N04-024 第96号)
やきとり弁当(小) ::ハセガワストア(中合 棒二森屋店)::
Shock!新幹線がキタ!衝撃の食見聞記 第4日 にて遭遇
 棒二森屋は函館駅前のランドマーク的存在の百貨店だ。何と云っても名前がユニーク。正式名称は中合棒二森屋店、通称ボーニデパート。この特徴的な名称は、金森森屋百貨店と棒二荻野呉服店が合併した成り立ちによる。函館駅前には1937年に店を構えた。その後、ダイエーと提携、更には福島の百貨店・中合の傘下に収まっている。中合はダイエー傘下、ダイエーはイオン傘下。いやいや、複雑怪奇な事情だこと。棒二森屋の建物自体も本館とアネックス館から成り、駅側にあるのが実はアネックス館で、本館はその奥に控えている。上記、店舗と路面電車が写っている画像では左にある上1/3が白色のビルが本館となる。
 北海道新幹線開業を睨んで、駅前百貨店としては当然のことながら、売上浮揚の為の対策を練ってきた。その目玉となるものが、駅方向から最も人が流入しやすいアネックス館の1階に開いた「はこだてスイーツ&カフェ」だ。本館地下1階に於いても半年前に函館を代表するコンビニ「ハセガワストア(通称ハセスト)」をテナントに招く等のリニューアルを敢行している。しかしこのハセストが一風変わった形態となっているのである。
 ハセストの名物は、店内の中央で調理される「やきとり弁当」でこれが函館の名物として全国的にも認知されてきているが、棒二森屋デパ地下に出店したハセストはそのやきとり弁当部門のみ切り取られてやってきた。胴体の無いカマキリ・・・これがこの店を見た際の率直な第一印象だった。小学生の時分に見た、胴体の部分が無くても生き永らえていたカマキリの姿は衝撃的なものだった。カマキリはしかし長期に亘って生きることはないだろうが、ハセストは、この虎の子のやきとり弁当さえあれば、セブンイレブンに幾ら浸食されようが、流行りそうな気配である。

ハセガワストア 中道店(2013年8月)







やきとり弁当(小) ¥445(込)


特に道南は、焼き鳥と云えども鳥肉ではなく豚肉である。だから「やきとり」なのだろう。
サラっとした豚肉に甘いながらもサラッと絡むタレが似合う。
根室のコンビニ「タイエー」のやきとり弁当の元祖となったのが本品である。
違いは幾つかあるが、タイエーの方には葱だけでなく茄子やピーマンがあって、
バーベキュー的な見栄えのするものとなっていた。
また風味もどことなくエレガントな趣となっており、ワインの効能がよく出ている。
根室のやきとり弁当の方が洒落た街並みの函館よりもお洒落、と云うのはなかなか面白いが、
本品もシンプルな美味しさに満たされては居る。御飯・海苔・タレの相性は抜群だ。
元祖は少々地味でも良い。
後続が工夫を凝らす余地が無くなってしまうではないか。

形状→★★★★☆
風味→★★★★☆
総合→★★★★☆

棒二森屋公式サイト→
ハセガワストア公式サイト→








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as of 2016.03 / uploaded 2017.1209 by 山田系太楼どつとこむ
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