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舌は自ずと心をつくる
(N07-005 第195号)
港あじ鮨 ::沼津駅(桃中軒)::
ルート371 -東海道鰻遊記- 第2日にて遭遇
 沼津駅改札脇の一角に見事なコンパクト性を発揮しつつ、桃中軒の売店は佇んでいた。1891年創業の老舗である。沼津駅の開業は1889年と僅か2年前に過ぎない。嘗て沼津では機関車の連結・切り離し作業が行われていた関係で長時間、列車が駅に停車していた。必然的に駅弁がよく売れることになる。長野(北陸)新幹線開業前の「峠の釜めし」横川駅の状況に類似していたわけである。








港あじ鮨 ¥880(込)


本品は沼津を代表する駅弁であり、嘗て車内販売があった頃の
あさぎり号だけでなく箱根系統のロマンスカーの車内でも販売されている。
しかし12年3月のロマンスカー沼津乗り入れ終了により、
この販売も終了になる線が濃厚と見る。
朝一の沼津発あさぎり号に積み込んで新宿まで運び入れているからである。
鯵×鮨×駅弁と云えば、大船軒の「鯵の押寿し」が有名だが、
あちらは全て同じものが入っている。

対する沼津・桃中軒のものは、わさび葉・紫蘇の葉・太巻きと
3種類も入っていてヴァラエティに富む。これは最後まで飽きさせない。
鯵にはやはり臭みがあり、これを打ち消すために酢の風味がかなり強くなりがちだ。
しかし中でも気に入ったのは、中央下、わさびの葉で包まれて、
更には鮨めしにもわさび茎の塩漬けにしたものが混ざっているもの。
実はこれが一番マイルドな仕上がりで、わさびを使っているにも関わらず、
新宮駅弁の「めはり寿し」よりもパンチがないほどだったのは意外であった。
桃中軒は、わさびに拘る駅弁屋である。

形状→★★★★☆
風味→★★★☆☆
総合→★★★★☆

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as of 2012.01 / uploaded 2018.0311 by 山田系太楼どつとこむ
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