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舌は自ずと心をつくる
(N07-004 第194号)
伊豆の思ひ出 文士の玉手箱 夏目漱石編 ::沼津駅(桃中軒)::
ルート371 -東海道鰻遊記- 第1日にて遭遇
 沼津駅改札脇の一角に見事なコンパクト性を発揮しつつ、桃中軒の売店は佇んでいた。1891年創業の老舗である。沼津駅の開業は1889年と僅か2年前に過ぎない。嘗て沼津では機関車の連結・切り離し作業が行われていた関係で長時間、列車が駅に停車していた。必然的に駅弁がよく売れることになる。長野(北陸)新幹線開業前の「峠の釜めし」横川駅の状況に類似していたわけである。








伊豆の思ひ出 文士の玉手箱 夏目漱石編 ¥1,050(込)


本品は「文士の玉手箱」シリーズの第4弾に当たる。
多くの著名人に愛されたリゾート地伊豆の面目躍如である。
因みに第3弾は川端康成だったようである。
漱石と伊豆との関わりを示す地図を交えた案内書が同封されている。
中身は洋風弁当だが、これも漱石の嗜好を反映したものらしい。
確かにロンドンへの留学は漱石の経歴の中でも印象深い出来事であった。
そんなわけで本品は何気にステーキ弁当なのである。
駅弁でステーキと云えば、ゴージャス&デラックスなものと相場は決まっているが、
本品に関しては非常に売店同様にコンパクトに収まっている。肉は柔らかい。
玉手箱と云う名前ながら、外観的には文士だけに本にも見えるが、
中身は本当に玉手箱的である。
御飯はピラフ。冷凍的ではないふっくらとした味わい。
ステーキの下に半分隠れているのは、駿河湾真鯛のけんちんフライである。
これがおかずの中では一番美味しかったように感じた。
それから修善寺椎茸のフリッターも見事に隠れている。
簡単なおろし金を入れてまで本物のわさびを添えている点には拘りを感じる。
コンパクトな割に食べ応えのある玉手箱のような駅弁であった。

形状→★★★☆☆
風味→★★★★☆
総合→★★★★☆

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as of 2012.01 / uploaded 2018.0309 by 山田系太楼どつとこむ
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