舌自心→ 
舌は自ずと心をつくる
(N04-016 第85号)
いかめし ::森駅(いかめし阿部商店)::
Shock!新幹線がキタ!衝撃の食見聞記 第2日 にて遭遇

「過言ではない」と云う表現がある。しかし往々にして過言である場合も多いものだ。しかし森の「いかめし」は違う。
森と云う町の全国的知名度は、まさにこの一介の駅弁が担ってきたと云っても決して過言ではあるまい。
一介の駅弁が町の象徴となってきた・・・そのユニークさは北海道の自治体で唯一「町」を、
チョウではなくマチと読むことに代表される森と云う町のユニークさをも象徴しているように思われた。

北海道新幹線開業を間近に控えて賑やかな雰囲気の森駅では、キヨスクが健在で、賑わい創出に一役買っている。

目玉商品はやはりいかめし・・・だけでなく様々な関連グッズも制作されて売られていた。

いかめしは駅前の柴田商店でも取り扱っており、そちらの方が数も多いようだ。
時刻は夜6時前。人気駅弁・地方小都市・他に販売箇所がある・・・売切れ御免が当然視される状況は揃っていた。

しかし何と在庫があったのである。森滞在開始10分も経たないうちに「いかめし」を手にすることが出来た。







いかめし ¥650(込)


「森」と云うシンプルな名の駅の駅弁は
「いかめし」と云う、駅弁の中でも殊にシンプルな趣のする一品。
実に良く似合う。

姿かたちも、原材料も、何もかもがシンプル。余計なものが加わっていない。
ほやほやぶっかぶかに、ふやけた容器の中には、主がしっとりと佇んでいた。
豊かな野趣性と品のある艶やかさが同居するユニークな世界がそこには広がる。
先ず以て本品は米の芸術なのだ。断面図を見れば一目瞭然。
美しい米の結晶が母なるイカに包まれて、活かしイカした状態となっている。
高級ベッドのような御飯の弾力性と粘り気が、
緩やかに逆巻くイカの食感とのアンサンブルとなって口腔内で特別な調べを響かせる。

イカからはムラムラっとしたクセのある風味が漂わない。
イカの旨みは保ちつつも、飽くまで上品に仕上げていて、
味付け過多に陥ってもいない。絶妙な状態に指揮されている。
昔に比べれば大分値段が高くなったものの、人気を保ち続けている理由が分かる。

形状→★★★★★
風味→★★★★★
総合→★★★★★








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as of 2016.03 / uploaded 2017.1118 by 山田系太楼どつとこむ
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