於福島県郡山市 [郡山駅]
★ お し な が き ★

福島まるごと辧當


福島まるごと辧當 ¥1,000

福豆屋製。
スッバラシイ!!!Tres bienの一言です。

前夜、ウェルネス伯養軒の牛肉の味噌焼弁当には相当ガッカリさせられていたので、
今晩の駅弁はどうしようかな…と迷いつつ、改札内にある売店を覘いたところ、
この駅弁に遭遇したわけです。しかも違う業者!(笑)
イマドキ、珍しいんじゃないでしょうか。複数の業者の駅弁が味わえる駅なんて、ねぇ。

さてこの駅弁、郡山駅の幕の内弁当なのであります。
パッケージの箱の裏にもちゃあんと、“福島まるごと辧當(幕の内弁当)”と書かれていますから。


このお弁当の気に入った点は主に二つ。
まずは…そりゃあやっぱり、見た目の華やかさ、でしょう。
眺めているだけで心はうきうき、おなかはグーグーですよ。
“うつくしまふくしま”の福島県キャッチコピーも伊達じゃない。
詰め込まれるが如く詰め合わされているのに、躍動感やかわいらしさなども感じられます。
そして二点目。そんな華やかさを持っているのに、幕の内弁当であるということ。
それも郡山ならではの幕の内弁当であるということ、ここにさらなる素晴らしさがあるのです。

質実剛健さを旨とする幕の内弁当は、どうしても画一的且つ地味になりがち。
例えば旭川駅の旭岳弁当。好きな幕の内駅弁の一つです。
おかずに北海道らしさを出そうとしている意図も感じられます。
とはいえ、やはり地味な部分は拭えません。
コンビニ弁当の猛威とご当地グルメの盛り上がりという近年の傾向の対策として、
各駅弁業者は、駅弁大会でもてはやされるような、
一点豪華主義的ご当地グルメ弁当の開発に注力しています。
しかし、その結果として駅弁はますます観光客のツールと化して、
地元の日常生活とは乖離した存在となり、幕の内弁当は、
観光客からもジモティーからも顧みられない状況となっています。

「福島まるごと辧當」はそういった弁当の王様・幕の内の苦境に対する
一つの解答を示しているように思います。
つまりこれは、新感覚の幕の内弁当なのです。
すなわち、駅弁大会でウケる弁当作りのコンセプトで幕の内弁当を作ってしまったというわけです。
福島の食のフルコースを、この弁当箱の中に、ささやかながらも実現したことで、
一点豪華系弁当では味わえない、充足感が得られます。

福島の交通の十字路であり、経済県都と目される郡山。
福島中の人やモノ、情報が集まってくるこのマチに、
これ以上相応しいコンセプトを持つ駅弁はないでしょう。

★★★★★→フォルム
★★★★☆→フレイヴァ
★★★★★→パフォーマンス


*福豆屋ウェブサイト*



shock-oo- index
home


©山田系太楼 Yamada*K*taro