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2008年4月 上野 聚楽台に関する記憶。 |
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朝食にイングリッシュマフィンをよく食べる。
もしも朝の食卓からイングリッシュマフィンが永遠に失われたなら、
なんだか急に毎朝が、やけに“ぶきっちょ”なものになるんじゃないかと思う。
日常の光景とはそういうもので、失われる前にはなんとも思わないくせして、
一旦それが失われ、しかも永遠に戻らないことがわかると、
滝のような涙となって心の中へと跳ね返ってくる “自分勝手”なものである。
上野駅のしのばず口を出ると、とんかちでへこまされた視界の先に、
これまたみっちりとへばりつくようにして建つ城砦が目に入る。
それが上野百貨店と上野松竹デパートである。
名前こそ「百貨店」「デパート」だが、お洒落でハイソ、華やかな(そして最近は劣勢にも苦しむ)
百貨店業界とはガラパゴスに隔絶された世界が広がる。
この上野百貨店の2階に「聚楽台」は、ある。

ファミリーレストランにして大食堂。
闇市上がりを思わせる階下の“なんちゃって百貨店”とは違って、
こちらは、オーソドックスな百貨店の食堂を好演している。
ファミレスではなく、ファミリーレストランと云ふ。。。
まるで昭和高度成長の狂騒の中にもあった“余裕”を象徴しているかのよう。

さあ、珠玉の高度成長ワールドへ…

“ハイカラ”という表現がぴったりの椅子席エリアが左手に広がっている。逆に右手側はどうなっているのかというと…

古式ゆかしい(^^; お座敷エリアなのである。いや、これはなかなか派手だナ。

こちらが聚楽台名物の西郷丼である。西郷どんの西郷丼。駄洒落も素晴らしいではないか(^^;
その名に恥じず、明太子・さつまいも天ぷら・さつま揚げ・豚角煮等々、トッピングはことごとく、九州かごんま系。
中央に鎮座するは、温泉好きの西郷どんに因んだか、温泉たまご。
しかしながら、この「名物」を食して思ふことと云へば…
現代日本料理のゲテモノぶり(笑) 凄いモン、食べさせてもらったぜ。

こちらはビーフカレー。ごくごく普通である^^

西郷丼に負けず劣らず、なかなかびっくりさせられる“店内に噴水”。
「やっぱ昭和は水なんだねぇ」と思った瞬間。かの「談話室滝沢」も、優雅に水が流れていたもんだ。
あっちはハンパなく、鯉まで泳いでいたわけだが。

時はどんどん過ぎていく。
それが楽しければ楽しいほど。懐かしさを覚えれば、覚えるほど。
出逢ってすぐに迫る、別れのとき。



「じゃあ、ばいばい」 微笑みながら挨拶する祖父の声が聞こえてきた。
また一つ、記憶の中にしか存在しないものが、増えていった。


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