中 根 駅 (なかね-えき)


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両隣の金上駅、那珂湊駅とは、駅間距離が(湊線にしては)長く、
その間の車窓は田園風景。季節によってまったく異なる景色が堪能できます。



駅名標に銅矛と前方後円墳が図案化されていました。
駅から徒歩20分強の所に、虎塚古墳という前方後円墳があります。



この駅のホームも長くて広いです。真ん中あたりに花壇がありました。



中根駅はそんな田んぼの真ん中にあり、周囲に建物がほとんど
見当たらないため、「秘境駅ランキング」にも入っています。
でも多くの秘境駅とは違い、周りは無人地帯ではなく農地なので、
農作業をする方々の姿はよく見られますし、
田園地帯を走る列車の姿をとらえようと、カメラを構える人の姿もよく見かけます。


☆虎塚古墳☆


中根駅から細い川を渡って、田んぼの間の道を進み、
その先の山へまっすぐ入っていきましょう。
意外と車がよく通るので、気をつけて歩きます。
畑の中のまっすぐな道から右に折れ、案内板に従ってもう一度右折。
麦畑の隣に、虎塚古墳がありました。徒歩だいたい25分。

虎塚古墳は、国指定史跡の前方後円墳。全長56.5メートル、高さ5.5メートル。
上に木が生えていることもあり、パッと見、古墳というより芝生公園に見えますが、
7世紀前半頃に築かれた、正真正銘の前方後円墳です。
前方・後円それぞれの丘の形と、周りを囲む堀がはっきり見てとれます。
内部の石室は、ベンガラの紅色でさまざまな文様が描かれているそうです。
毎年、春と秋にそれぞれ10日間ほど公開されます


埋蔵文化財調査センター


虎塚古墳から林を抜けると、わずか2分で到着。
標本陳列室で、市内各遺跡からの出土品を見ることができます。
(入館無料/月曜日・年末年始休館)
時代ごとに展示されていて、旧石器時代から縄文、弥生、古墳時代と、
土器のデザインの変遷がよくわかります。
地元の小学生の皆さんが描いたレポートが貼られ、楽しい雰囲気。
土偶や、古墳時代の埴輪もあります。
虎塚古墳からは、さびた剣や環などの副葬品を展示。
大平古墳の墳丘断面。十五郎穴から出土したものをはじめとする大刀。
そして、虎塚古墳石室の実物大模型がありました。
もちろん本物と違って、通年見られます。
あの芝生の丘の中に、1,400年近くも前にこれが描かれていたというのが驚きです。


☆十五郎穴☆


虎塚古墳から、埋蔵文化財調査センターと逆の方向へ進み、麦畑の脇から森の中へ入ります。
途中の急な下り坂を、足元に気をつけて歩くと、
田んぼの脇の崖に、石をうがった横穴がいくつも並んでいました。
これが十五郎穴。奈良時代の墓地の跡だそうです。34基が茨城県指定史跡となっていますが、
ここ以外にも横穴墓群は存在し、全体では数百基あるとみられているそうです。


☆中根の湯 はこや旅館☆


十五郎穴から、高速道路(東水戸道路)沿いに南へ歩くと、5分ほどで着きます。
中根駅からだと12分ほどでしょうか。
旅館ですが日帰り入浴も可能(¥700)。
400年以上の歴史を持つ温泉宿ですが、建物は新しくてきれいです。
浴槽はあまり大きくないものの、れっきとしたラジウム温泉。
歩き疲れた体を休めるのにちょうどいい感じ。
窓の外に広がる田園風景。東水戸道路も見えました。


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