那 珂 湊 駅 (なかみなと-えき)


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ひたちなか海浜鉄道の本社があり、機関区や保線区があり、
列車交換(すれ違い)も行なわれる、湊線の中枢駅。
「歴史と伝統のある駅で開業当時の面影を残した駅」として、
関東運輸局から“関東の駅百選”に選ばれています。
築100年近い駅舎ですが、よく整備されていて、古さを感じさせません。
屋根は、海辺の行楽地の駅に昔よく見られた赤い瓦屋根。
派手さと素朴さ、懐かしさが共存します。



駅舎内には、多くの絵画や、沿線風景を写した写真が展示されていて、明るい雰囲気。
またこの駅では、レンタサイクルの貸し出しも行なわれています。





2009年から駅に住みつく、黒猫の「おさむ」くんが人気。
ホームの一角に、おさむくんの指定席が用意されています。


那珂湊おさかな市場








那珂湊漁港に隣接し、新鮮な魚介類を安く買えるスポット。
さすがは那珂湊屈指の観光地。
人通りが多くてにぎやか。観光バスが何台も連なっています。
わたあめや、かき氷の屋台まで出ています。
駐車場は満車で、空き場所待ちの車が列をなしている状態。
さまざまな魚料理を食べられる食堂も多いです。
私は回転ずし屋さんで、お皿8枚分を一気に食べました。


☆反射炉跡・山上門(あづまが丘公園)☆


入口の「山上門」は水戸藩の江戸小石川邸にあった門で、江戸時代後期のもの。
私が訪れたときは、満開の八重桜に囲まれていました。



階段を上った先に、大きな反射炉がそびえ立っています。高さ約15メートル。
幕末、たびたび沖に現れていた外国船から水戸藩を防衛するための、
大砲鋳造を目的として造られたものです。
1857年(安政4年)までに2基の炉が完成しましたが、
1864年(元治元年)に元治甲子の乱(天狗党の乱)で破壊されてしまいます。
現在建っているのは1937年(昭和12年)にできた復元模型ですが、
元の反射炉よりはるかに長い間、この町のシンボルとして立ち続けていることになります。
碑の題字は、東郷平八郎が揮毫したのだそうです。



反射炉の隣には、反射炉建設に使うレンガを焼成した、登り窯も復元されていました。


☆湊公園(い賓閣跡)☆


1698年(元禄11年)、徳川光圀の命で建設された藩別邸の跡。
い賓閣という名前は中国の「堯典」から採ったもので、
「つつしんでみちびく」という意味があるらしいです。
い賓閣は建坪300坪以上、28室もある広大なものだったようですが、
反射炉と同じく元治甲子の乱で元治元年に焼失し、現在は静かな公園になっています。



樹齢300年を超える「湊御殿の松」は、光圀が須磨明石から取り寄せたもので、
現在でも12株が残っています。大きくて存在感あり。
地元出身の政治家・宮原庄助の像が、海に向かって立っています。



公園の外に目を転じると、那珂川に架かる海門橋と、
対岸にあるアクアワールド・大洗、そして太平洋がよく見えました。
絶滅危惧種・イワレンゲも見ることができます。秋にはハマギクの花も咲くそうです。


ふるさと懐古館


160年以上前に建てられた豪商の土蔵。
那珂湊がかつて水運で栄えたことを象徴する建物ということで保存され、
漁業や農業などで使われた物を展示するスペースとなっています。
具体的には、漁業に使う網や、万祝(まいわい)半纏、唐箕(とうみ)。
遺跡から出土した石錘、塩作りに使ったろ過器、
船大工の使った工具、海苔作りに使う「こも」と枠。
さらには、ユニークなカメラのコレクション、反射炉の図面、石斧や勾玉など。
入館無料。那珂湊の観光名所はほとんど入館・入場無料ですね。


☆天満宮☆


菅原道真公をまつる神社で、鎌倉時代の創建。
久しく神仏混淆でしたが、徳川光圀が神仏分離を行ない、
以降は神社として歴代藩主に崇敬されました。


☆華蔵院の梵鐘☆


那珂川沿いから道1本入った所にある大きなお寺が華蔵院。墓地の中に梵鐘がありました。
銘文に南北朝時代の「歴応二年」(1339年)とある古いもので、県指定工芸品。



華蔵院は、大きな本堂、よく手入れされた木々、朱色の門があり、名前のとおり華やかなお寺です。


☆ギラリー601☆


かつて湊線を走っていた車両・ケハ601。
気動車(ディーゼルカー)では日本初のステンレス車両でした。
車体部分が那珂湊機関区に保存されています。
「おらが湊鐵道応援団」の皆さんの手で復元され、
毎週日曜日の午後1時から4時に内部を公開中。
私が訪れたときには、車内の設備について、ボランティアの方が説明してくださいました。
沿線の古今の風景写真なども展示。
(「ギラリー」という名前は、ステンレス車両がギラリと光ることと「ギャラリー」をかけたもの)
隣のキハ200形(もと国鉄キハ20形)車両の内部も見られます。


☆海門橋☆


那珂川の河口に掛かる真っ赤な橋。那珂湊と、対岸の大洗を結んでいます。
歩道があるので徒歩でも渡れます。
橋の途中に「キラキラドリームベル」と名づけられた鐘があり、
恋人や家族と一緒に、3回鳴らすと願いがかなうとされています。
ベルの説明板が1990年代風で、
海の青・空の青と相まって、名前のとおりキラキラした雰囲気。


アクアワールド・大洗




那珂湊駅からバスで5分。徒歩だと30分くらいです。
展示生物数580種・68,000点に上る、日本を代表する水族館の1つです。
団体客や家族連れなどで常ににぎわっています。
(入場料:大人¥1,800、小中学生¥900、3歳以上の幼児¥300)
イワシやコブダイの回遊水槽。黒潮と親潮が交わる海を再現した「出会いの海の大水槽」。
クラゲやクリオネのいる「暗黒の海ゾーン」。
50種類ものサメ(種類数日本一)や、エイ、マンボウ、熱帯魚などが泳ぐ「世界の海ゾーン」。

「ミュージアムゾーン」には、マンボウやホオジロザメの巨大なはく製、
お子さん向けの巨大な遊具があります。
エトピリカ、ゴマフアザラシ、ラッコの水槽から
階段やエレベーターで上ると、屋上は展望回廊になっていました。
那珂湊の町や、国営ひたち海浜公園の観覧車が見えます。波の音が聞こえます。

川の上流・中流・下流を再現した「森と川ゾーン」。
ペンギンやアザラシ、アシカがいる、屋外の「オーシャンゾーン」。
ウバザメのはく製と、クジラの骨格標本が浮かぶホールから、
イルカ・アシカショーが行なわれる「オーシャンシアター」へ。
休日の正午の回だったからかもしれませんが、
800席が開始10分前にはほぼ埋まり、立ち見が出る状態。
ボールや輪っかを自在に操るカリフォルニアアシカ。
高いジャンプを決める、バンドウイルカとオキゴンドウ。
着水した際の水しぶきも豪快でした。屋内なのでそのときの音も大迫力。
水槽の向こうの壁は巨大な全面窓となっており、
一面の海から白い波が押し寄せるのが見えます。サーファーの姿がありました。
オーシャンシアターの下は、「アクアホール」という展示スペース。
水中からイルカたちを観察できます。

アクアワールド・大洗は、フードコートにも特長あり。
土地柄、海産物が豊富なため、すしやたこ焼き、海鮮丼といった、
海の幸を活かしたメニューが多いのです。
私は、かきあげ丼を食べました。太平洋を見ながら食す、
揚げたてのタコ、イカ、エビのおいしかったこと。


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