磯 崎 駅 (いそざき-えき)


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平磯から磯崎に向かう途中、住宅地越しに海が見える区間があります。
磯崎駅に近づくと、周りに畑が広がります。主にサツマイモ畑。
駅名標にもサツマイモが描かれています。



茨城県は、干し芋の生産量が全国1位。中でもひたちなか市は、その中心的な生産地です。
駅周辺の道路はやや入り組んでいますが、駅裏の畑には携帯電話基地局の鉄塔が立っており、
帰りに駅へ戻る際は目印となるでしょう。


☆酒列磯前(さかつらいそさき)神社☆


駅からゆっくり歩いて10分くらいで、参道の入口・大鳥居に到着。
うっそうと茂る樹木が、天然のアーチを成しています。



県の天然記念物に指定されている「酒列磯前神社の樹叢(じゅそう)」は、
暑い日にはいい木陰を作り出してくれます。
複雑な形をしたタブノキの枝がユニーク。



参道を抜けた先は思いのほか広く、明るくて落ち着いた空間になっていました。
立派な拝殿が建っています。



拝殿の彫刻が見事です。
特に懸魚(げぎょ)のブドウとリスの彫刻は、左甚五郎作と伝えられるほど。
創建は856年(斉衡3年)。主祭神は少彦名命(すくなひこなのみこと)で、
医薬の神、酒の神、また学問の神として信仰されています。
また、大洗磯前神社の主祭神・大名持命(おおなもちのみこと)が、
酒列磯前神社では配祀神となっています。
酒列磯前神社と大洗磯前神社では、大名持命と少彦名命の通称を、
それぞれ「えびすさま」「だいこくさま」としていますが、これは東京の神田明神と同じ。
神田明神の祭神の1柱・少彦名命が、大洗磯前神社より勧請されたからと思われます。


☆比観亭跡☆




酒列磯前神社の大鳥居のそばに、比観亭跡への道があります。
水戸藩6代藩主・徳川治保(はるもり)が、比観亭というあずまやを建てた絶景ポイント。
私が以前来たときは、草木にさえぎられて景色がよく見えなかったのですが、
その後整備されたようで、眼下の白い砂浜、その先の青い海、
左手の阿字ヶ浦海岸、対岸の常陸那珂港までよく見えました。
青と白で構成された景色が見事。


ホテルニュー白亜紀


酒列磯前神社の奥に建つ温泉ホテル。
日帰り入浴もできます(平日昼¥500、平日夜¥400、土日祝¥700:定休日あり注意)。
湯船は内湯と露天風呂それぞれ1つずつですが、
落ち着いた雰囲気でくつろげます。なめらかな感じのナトリウム塩化物泉。
露天風呂から見える海がきれいでした。
晴れていたので空もきれいでした。ホテル下の海岸に露出する、白亜紀の地層も見えます。
レストラン「カメリア」でカジキのステーキを食べました。



¥980という値段の割にボリュームがあり、おいしかったです。
また、休憩所となっている大広間でも食事ができます。
カメリアからも大広間からも海が望めます。どこまでも広がる太平洋…




☆中生代白亜紀層☆


ホテルニュー白亜紀のあたりから、平磯海水浴場の近くまで、
海岸には7500万年前の、中生代白亜紀の地層が現れています。
翼竜の骨やアンモナイトなどの化石も発見されているそうです。
海水に浸食されてゴツゴツした岩場になっており、絶好の潮干狩りポイント。
特に、駅からはかなり遠いですが、平磯太陽観測センター近くの岩場が広くなっていました。
ただし海岸沿いの道は、車が多い上に歩道がないので、
徒歩での長い移動は避けた方がいいでしょう。


☆平磯太陽観測センター☆


独立行政法人 情報通信研究機構の施設。
太陽フレアによる通信障害の発生を予測するため、
太陽から来る電波や、黒点活動などを観測しています。
電波望遠鏡の大小のパラボラアンテナが、常に太陽の方を向いて動いています。
湊線の車窓からも、これらのアンテナがよく見えます。
(駅からかなり遠いので、車窓から見るのが現実的だと思います)
通る時間帯によって向きが変わるのがおもしろいです。
ちなみに太陽観測センターの奥に、
第9代水戸藩主・徳川斉昭が選定した景勝地「観涛所」の碑があるらしいのですが、
残念ながら私は見つけることができませんでした。


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