津駅(桃中軒)の 文士の玉手箱 夏目漱石編★


人口20万余の沼津は西伊豆の玄関口にして静岡東部の中心都市。
ヴァラエティに富むバス・タクシーの群れで駅前は賑やかです。

桃中軒はそんな沼津を拠点とする駅弁屋さん。
ただ、沼津には新幹線が通っておらず(線路はあれど駅が無い)、
グリーン車の付いている東京行き普通列車はめっきり数を減らし、
小田急新宿行き特急もこの3月のダイヤ改正で沼津からは撤退と、
駅弁屋さんにとってはなかなか厳しい環境。
尤も、桃中軒は新幹線の停まるお隣・三島駅にも進出しており、
その辺りで何とかフォローしているといった状況でしょうか。

このくらい種類があると選ぶのもなかなか楽しいところですが、
まずはちょっと洋風なものにしてみました。
「文士の玉手箱 夏目漱石編」とあるように、定期的に中身を変更しているシリーズもののようで、
ハイカラな夏目漱石のイメージに合わせて、洋風になっているとの由。


お品書きや漱石と伊豆との関係が記されたリーフレットが入っています。

「海のある軽井沢」と謳われ、文学関係の見どころも多い沼津ですが、
漱石については修善寺との関わりのようです。三島を押さえている桃中軒ですから、
三島から伊豆箱根鉄道で向かう修善寺も守備範囲に入るワケですね。

洋風幕の内の中でも充実の部類に入ってくるものに仕上がっています。
まずはピラフ。ただしょっぱいだけ、海老も相当ちっちゃいものが幅を利かせる中で、
そこまでしょっぱいワケでもなくちゃんとした味で構成され、海老も割合大きいんですよね。
さらにおかずがなかなかイイ。ステーキはそんな大したことはないのですが、
その下に半分隠れている真鯛のけんちんフライ、これが結構食べ応えがある代物です。

一手間かけているお蔭でフライの割にあっさりとして滋味深い感じに仕上がっています。

それからいかにも業務用といった、やっつけ感のしない玉子焼きも美味しゅうございますね。
いちごジャムをゼリー状にしたデザートは、ぼんやりしたフレイヴァで
お口直しというよりもお口を整える趣があります。
それにしても簡易なおろし金でセルフサーヴィスさせてまで、
わさびを入れてくるのは、こだわりですねー。
胃弱の夏目漱石が完食出来るかわからないくらい、充実のラインナップであるように思います。


こうしてみると一冊の本のようにも見えます。“文士”らしい雰囲気があってイイ感じです。

文士の玉手箱 夏目漱石編 ¥1,050-

★★★★☆→フォルム(4/5ツ星)
★★★★☆→フレイヴァ(4/5ツ星)
★★★★☆→パフォーマンス(4/5ツ星)

(2012/01/16買)

*桃中軒 ウェブサイト*












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